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虎は姫に過保護なり

第3章 心境変化


「うまい!うまいっス!!こんな美味いメシ久しぶりッス!」
「憧れの女の子の手料理!俺、もう死んでもいいかも…っ」
「あやめ!すっごく美味しいよ!」

「………何したんだ、お前ら」


キッチンを開けるとそこには、勢いよく食べ進めるペンギンと涙をながしながら食べるシャチ、口の周りにご飯粒を付けたベポ

そして

「そんな大袈裟よ、あ、船長さん」
「…お前、安静にしてろの意味が分からねぇのか?」

ギロリと睨むと慌てた3人がそれぞれ弁解する

「ごめんなさい、勝手な事して…。でも、足に無理な事はしてないわ!ここまでベポに運んでもらったし!それに、何もお礼出来てないのも申し訳なくて…だから料理なら私でも出来る事だからさせて欲しいって3人に頼んだのよ。…怒らないで…?」


そこまで一気に言うとローは深いため息を付く

「キャプテン…あやめもこう言ってるし…」
「それに俺達がいいって言ったんス、なぁベポ?」
「アイアイ、だからあやめにそんな怒らないであげてよキャプテン…」


四人の視線を受け、しばし沈黙の後 好きにしろ… と一言


「ありがとう、船長さん!」
「…ロー、だ」
「え?」
「その呼び方やめろ、命令だ」
「……ロー、さん?」
「ローでいい」


二人のやりとりに思わずにやつくシャチとペンギンだったが、またもや睨まれ視線を外す

「そっかぁ!キャプテン、自分だけ船長って呼ばれてるのが嫌だったんだね」

((バカクマぁあああああああ!!))

思ってる事を直球で言ってしまい、ローの眉毛がぴくりと動く

「え?そうだったの…?ごめんなさい、私偉い方を名前で呼ぶの失礼かと思ってて、これからはちゃんとローって呼ぶね」
「…チッ」

舌打ちをしても付き合いの長いシャチとペンギンには、照れ隠しなのがバレバレであった

その後、あやめが改めてご飯の準備してくれた

テーブルに用意されたのは、だし巻き卵、金平牛蒡、味噌汁、お浸し、シャケ入りおにぎりだった


「…おまえが全部作ったのか?」

ローは和食を好む、栄養バランスが良いのを知っているからというのもあるが彼はパンが嫌いなのだ

ところが彼女が作ったのは定番の和食
つまりはローの好物ばかりだった

「ええ、本当に簡単なものしか作れないけど…」
「…いや、驚いただけだ。いただきます」


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