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虎は姫に過保護なり

第3章 心境変化


あやめがハート海賊の治療を受け始め数日が経った


「…暇だわ」

足のヒビが未だ完治しない為、ベッドから動けずにいる
しかし、それ以外は元気な為暇を持て余していた

(彼に本とかないか聞いてみようかしら…それか何かしてもいいこと聞いてみよう)

「あやめー、朝ご飯持ってきたよー」
「いつもありがとうベポ」

朝食を持ってきたベポにお礼を言う

「そういえば、このご飯っていつも誰が作っているの?」
「いつもはシャチが作ってるよー、でも今日のはペンギンかな」

お皿に乗っている、三角でも丸型でもない歪な形をした“おにぎり”を一口食べるあやめは思い付いた

「ねぇ、ベポ?私も何か役に立ちたいんだけど…そうね、ご飯作っちゃダメかしら?」
「え!あやめご飯作ってくれるの?」
「ええ、でも王宮の様な豪華なのは無理よ?あくまで一般料理の範囲内なら私作れるわ」

にっこり笑うとベポはわくわくした様子で普段使っているキッチンへ運んでくれた


「そういえば、あやめ…足大丈夫?」
勢いで連れてきてしまった事に焦るベポ
ローに見つかったら絶対怒られてしまう

「むしろ少し動きたいぐらいだわ、だからそんな顔しないで?後でちゃんと彼にも話すから」

安心させるようにもふもふの頭を撫でる















足の具合を見る為にあやめがいる部屋に足を運んだローだったが丁度入れ違いになってしまった為、部屋は誰もいなかった


「チッ、大人しくしているかと思えば……どこへ行きやがった」

舌打ちをし仕方なく船内を歩き出したローの鼻に美味しそうな匂いが漂ってきた

(なんだ?…シャチが料理でもしてんのか?)

いや、いつも味の加減がバラバラのあいつがこんな美味そうな匂いをさせる事はあり得ない
なら、ペンギンか?



ローは匂いのする方、キッチンへ歩き出した




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