第3章 どうしたら
「よぅ、煉獄。何考え込んでるんだ?」
後ろから背中をバンッ、と叩かれ、杏寿郎は危うく転びそうになる。
「宇髄ではないか。」
杏寿郎は同じ柱である宇髄天元を見上げた。
「悩み事かぁ?派手に相談に乗ってやるぜ。」
「そうだな。聞いてくれるか?」
杏寿郎は宇髄を見上げる。宇髄は嫁が3人もいるし、女心がわかるかもしれない。
「好いた女性がいる。」
「へぇ、初耳だな。」
「しかし中々振り向いてもらえない。どうしたらいいだろうか?」
「ちょっと待て。お前はそいつに気持ちを伝えたのか?」
「あぁ、もちろんだ。毎日のように伝えている。」
杏寿郎の言葉に宇髄は考え込む。
「拒否されたわけじゃないんだろ?なら押すのみだな。」
宇髄がニヤッと、悪戯っ子のように笑う。
「とりあえず贈り物だろ。贈り物を喜ばない女はいない。」
「贈り物か。いいな。早速探しに行こう。」
歩き出そうとする杏寿郎を宇髄が止める。
「お前、毎日のように、ってその女のところに通ってんのか?」
「いいや、家にいる。」
「はぁ?」
「継子にしたんだ。誰にも取られたくなくてな。」
ははははは、と杏寿郎は笑う。宇髄は頭を抱えたくなった。