第2章 煉獄邸での生活
基本的に鬼殺隊は夜に活動する。鬼が夜にしか出てこないからだ。
緋色と杏寿郎も例に漏れず、活動時間は一般人とは異なっていた。
昼頃に起き、食事を食べる。その後は鍛錬。たまに柱合会議や、その他任務の会議、鬼を倒した後の報告などもある。夕方に食事をし、任務、もしくは杏寿郎の担当地区の見回りをする。明け方帰ると湯浴みをし、簡単に食事をすると就寝。
「緋色さんはすごいですね。」
緋色は食事の用意を手伝うために千寿郎と共に台所にいた。
「素直に尊敬します。任務に向かわれる時も落ち着かれていて。兄上の鍛錬も淡々とこなしていて。もう少し僕にも緋色さんのような才能があったら良かったのに。」
千寿朗の言葉に緋色はどう返事をしようか考える。
「どうした、ずいぶん仲が良さそうだな。」
緋色が返事をする前に杏寿郎が台所に顔を出した。
「兄上、緋色さんは素晴らしい女性ですね」
「あぁ、もちろんだ。だが間違っても惚れるなよ。緋色は俺のだからな。」
別にまだ緋色は杏寿郎のものになったわけではない。そう言いかけて、口を閉じる。
「、、、杏寿郎様、そろそろお食事が出来ます。居間にてお待ちください。」
「そうか、いつもすまないな。」
杏寿郎は踵を返すと居間に向かう。その後ろを膳を持って緋色が歩いていく。