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炎のように【鬼滅の刃/煉獄杏寿郎】

第3章 どうしたら


「緋色、贈り物だ。」
今日は花束。
「緋色、甘いものは好きか?」
今日は珍しい洋菓子。
「気に入って買ったんだ。君に持っていて欲しい。」
今日は美しい刺繍のされたハンカチ。
「リボンが一つでは君も困るだろう。たくさん買ってきた。」
今日は色とりどりのリボンが十本ほど。
「緋色、君に似合うと思って買ってきた。」
今日はついに着物まで買ってきた。
「、、、杏寿郎様、このような高価なものは頂けません。」
「俺が君に贈りたいんだ。素直に受け取ってくれ。欲を言えば、その着物を着た君と出掛けたい。」
それは逢引の誘いだろうか。
「もちろん、逢引の誘いだ。最近ではデートと言うらしいな。別に深く考えなくてもいい。女性は綺麗な着物を着ると気分転換になると聞いた。綺麗な着物を着て、甘い物でも食べに行かないか?」
杏寿郎は緋色の頬を撫でる。あぁ、美しい肌だ、などと考えていると、緋色の視線が、すっと下がった。
「、、、明後日の昼間は、いかがでしょうか?」
「出掛けてくれるのか。それは良かった。もちろん、明後日で大丈夫だ。」
杏寿郎はいい返事が貰えて、内心有頂天だ。緋色への気持ちも大きくなる。
「、、、緋色。嫌だったら断ってくれていいのだが、抱き締めてもいいだろうか?」
緋色の表情の読めない顔が、赤くなったような気がする。もちろん他人が見たらどこが赤いのかわからないだろう。杏寿郎だからわかったことだ。
拒否の色が見えないので、杏寿郎は緋色をそっ、と抱き締めた。
「、、、拒否しないということは、少しは期待してもいいのだろうか?」
杏寿郎が緋色の耳元で囁いた。緋色は杏寿郎からもらった着物を落としてしまう。
「、、、失礼します。」
緋色は屈んで着物を拾い上げると、礼をして杏寿郎に背を向けた。
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