第3章 相手を知るということ
女「正直なのは良いことよ。はいどーぞ。」
「ありがとうございます…。」
りんは距離の近い接客に戸惑いつつジョッキを手に取る。
いつもは小洒落た店にしか行かない。
この待遇や雰囲気はとても新鮮であった。
実「まあ、煉獄が騙されてる訳じゃなくてよかったなァ。」
小「水瀬も宇髄の被害者ということだな。」
天「俺、そこまで言われるほど悪い事してねーと思うけど?」
杏「とりあえず乾杯しよう!!」
「はい!!」
そうして杏寿郎の一声によって五人はジョッキをぶつけ合い酒に口をつけたのだった。
と言ってもしっかりと "飲んだ" と言えるのは杏寿郎、天元、実弥の三人だけであり、小芭内とりんは一口飲んだだけでジョッキを机に置いた。
杏「…りんさんはビールが苦手なのか。先程好みの酒を言えば良かったろう。」
「あ…、はい……。」
そんなやり取りを見ている天元は机に肘をついて手に顎を乗せている。