第2章 初めての彼氏は…、
(お家デートじゃなかったら杏寿郎さんの場合何がいいんだろう。健全に動物園とかかな。いや…美術館とかかな…。それとも…、)
そんな事を考えていると寝る時間が来てしまった。
「いけない。早く寝ないと。」
今週は上司の出張がある。
明日はその為の準備で忙しいのだ。
りんはベッドに潜り込むとスマホを掴んで杏寿郎のプロフィール画像をタップした。
(……好きな食べ物をプロフ画像にするなんて…可愛い。)
そう頬を緩ませると、少し迷ってから思い切って就寝の挨拶を送った。
(あ…そういえばさっきも口頭で伝えたんだった…。)
そう早くも後悔し始めた時、新着メッセージを報せる音が響いた。
ドキドキしながらそれを開くと、りんの目は嬉しそうに細まる。
「……おやすみなさい、杏寿郎さん。」
りんは『ありがとう!君もゆっくり寝てくれ!!』という杏寿郎の文字を見ながら、頬を緩ませて瞼を閉じたのだった。