第2章 初めての彼氏は…、
杏「……………………。」
杏寿郎は口角を上げながらそんなりんを見下ろした。
杏「…君は違うのだな。」
なんとなくもやもやとしながら聞いたが、りんはまだその顔に微笑みを残しながら頷いた。
「告白はしませんでしたが三人…くらいはいましたよ。」
杏「…そうか!では先程聞いた質問に答えてくれ!恋愛において重要視している事は何だろうか!」
杏寿郎はもやもやとした気持ちから目を逸らすと、パッと切り替えてそう質問し直した。
りんはパキパキとした杏寿郎のペースにすぐ飲まれてしまう。
「え、えっと…重要視していること…は、持ちつ持たれつ精神でしょうか…。付き合ってみないと分かりませんが、お互いに相手を支え合っていれば上手くいくんじゃないかな…と。」
悩みながらもそう答えると、杏寿郎は笑みを浮かべて『なるほど!』と頷いた。
杏「努めよう!!では…、君の元彼と言われている男はどんな男だ。」
りんは杏寿郎の声が急に低くなった事に気が付いてしまった。