第10章 使命感
杏「俺だってりんさんを大切に想っている。」
藤「それなら何故腰が砕けるほど無理な抱き方をしたんだ。寝不足にもさせた。彼女の優しさにつけ込んでいるんじゃないか。」
それを聞いた杏寿郎はきょとんとしてから少し首を傾げてりんを振り返った。
杏「初めて抱かれた夜の事を話したのか。」
「いえ…部長の前で腰を抜かしました。黙っていてすみません…。」
りんが赤くなって杏寿郎を見上げると、声が聞こえなかった藤川はやきもきとして眉を寄せる。
藤「君は優しい彼女を縛っている!もう解放してやってくれ!」
その声に杏寿郎は眉を寄せながら振り返ったが、杏寿郎より先にりんが口を開いた。
「そ、そこまでにして下さい…!!」
この場を収められるのは自身だけだと思ったのだ。