第10章 使命感
「えっ、ま、待ってください!」
りんは杏寿郎の口を片手で押さえながらちらりと時計に目をやった。
(た、確かに時間はあるけど…ご飯の用意がまだだし…、)
そう困っていると杏寿郎はりんの細い腕を掴まえて口元から易々とはがした。
杏「あんな話をしておいて『待て』は無しだろう。それに昨晩は一回もしていない。」
「で、ですが…、明るいですし…ご飯の用意も、」
杏「明るくても問題はない。それに先程見た限りでは十分な量の食事が出来ていた。」
杏寿郎はそう言い放つとりんの反論を聞く前に話を終え、口付けて言葉を奪ってしまったのだった。
———
「……不合意です…。」
明るい光の中、ソファでたっぷり愛されたりんは杏寿郎に背を向けながら床に落ちている下着に手を伸ばした。
りんが恥じらって泣きながら抵抗した為に、無理やりはぎ取られたそれは裏返っていた。