第8章 ※夜の顔
「え、あの…イスに座れば一人で洗えます…。」
杏「君は今ふにゃふにゃだろう!心配なので俺に洗わせてくれ!!」
まだ翻弄され続けるのだと悟ったりんは少し泣きそうな顔になった。
「しんじゃう…。」
杏「心配するな!俺が抱えていれば頭を打ったりはしない!」
杏寿郎はそう見当外れな事を言うとりんの体を丁寧に洗っていったのだった。
そうして再びサッパリとした二人は寝室に戻り、シーツを取り替えてから横になった。
杏「純潔であった証の血がついたシーツを洗うのは些か勿体なく感じるな!取っておいては駄目」
「だめです!!」
杏「むぅ。」
りんは杏寿郎にむくれた顔を向けるとくるりと背中を向ける。
すると杏寿郎はもぞもぞと近寄ってきて後ろからりんを抱きしめた。