第8章 ※夜の顔
(頭とろける……。)
杏寿郎は甘い口付けを繰り返し、甘い言葉を掛け、丁寧に丁寧に時間を掛けてりんを愛するとようやく欲を吐き出した。
そしてゴムをしばった後、りんに窺うような視線を送る。
杏「りん、頼む。」
「………あの…、ですが、」
杏「頼む。あと一回だけだ。」
杏寿郎はそう言うとりんの返事を待たずに押し倒した。
そうしてまた欲を吐き出し、再び熱の収まらない瞳をりんに向ける。
「も、もうこれ以上は…、」
杏「りん。」
熱っぽい声でそう呼ぶとりんに口付けながら押し倒す。
そうして再び行為が始まった。
———
(このままじゃ…っ)
『次こそは断らないと…。』と思った矢先、杏寿郎が眉を顰めながら欲を吐き出した。
「きょ、杏寿郎さん…!今度こそは、」
杏「頼む。許してくれないか。」
杏寿郎は眉を寄せ、真剣な顔でそう訴えかける。
するとりんは再び容易に言葉を失ってしまった。
杏「ありがとう。今度こそ次で最後だ。」
杏寿郎は話がついたかのようにそう言って再びりんを押し倒した。
だが結局おかわりは何度も続き、りんは文字通り杏寿郎に抱き潰されてしまったのだった。