第5章 華

「…さつまいもご飯の準備はできましたよ。あとはおかずを作っていきますね。」

杏「うむ！楽しみだ！！」


杏寿郎はそう言って輝く笑顔を浮かべる。

それを見たりんは『ずるい。』と思った。


(何でも許してしまいそう…。)


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「うん…！」


りんは鍋いっぱいに作った筑前煮を一口食べて微笑んだ。


(これだけあればお腹いっぱいになってくれる、はず…。)


そう思いながら別で薄く甘く煮たさつまいもを加えて軽く混ぜる。


後ろを振り返れば大皿にさつまいもを入れた料理が並んでいる。


(……少し入れすぎたかな…さつまいも。)

「杏寿郎さん。」


りんは相変わらず凝視している杏寿郎に声をかけて手招きした。

すると杏寿郎はパッと顔色を明るくさせる。


杏「何だろうか！！」

「味見をして頂けますか？」


りんがそう言って小皿にさつまいもと蓮根を取り分けると、杏寿郎は太陽のような笑顔を浮かべて寄ってきた。