第7章 義理じゃなくて【幸村】
「あは。ダメだったよ。」
「すまないが、俺はお前の事を友達以上には、これからも見れないから。…だって(笑)もう完全敗北だよね(笑)」
そう言いながら〇は下を向いてしまった。
肩が小さく震えてる。多分泣いてるんだろう。
〇にここまで思われる真田が羨ましいよ。
俺はそっか。と返事だけして〇の背中をなでて泣き止むまで一緒にいた。
「もう今日は幸村の家でお疲れ様でした会やって!」
『2人でかい?!?』
「そう!今から!じゃないと1人になったらずっと泣いちゃいそうだもん。」
『うーん。まぁいいよ。やろうか!』
ほんと俺の気も知らないで。
でも2人でいれるならそれはそれでいい。
『とりあえず紅茶とお菓子…チョコでいい?』
「いいよ!幸村がもらったチョコ食べちゃう!!」
家に着き俺が貰ってきたチョコを憎いと言わんばかりにすごい勢いで食べていく。
『そ、そんな食べて大丈夫?』
「いいの!お疲れ様でした会だから!」
『ほどほどにね…』
「私は…私は…!!!ずっと真田のこと好きだったのに…うぅ。」
食べながらまた泣き出したよ…
ほんと、なんで俺じゃないんだ。
うんうん。って聞いてあげるしか出来ない自分も嫌いだ。
でも伝えてしまえばこの関係も壊れそうで。
「幸村は好きな人いないの…?」
『……。俺は……』
「モテモテだもんね。そのパーフェクトフェイスで告白されたらどんな女子もイチコロだよ。いいよね。好きな人と付き合える人は。」
八つ当たりか?なにも分かってない〇にイラついた
『そんな事ない。お前はわかってないよ。』
「ん?どうしたの?」
ガバッと〇を抱きしめてしまった。
もう元には戻れない。
『俺はずっと〇を好きだったよ。〇が真田の事好きなのも知ってたからずっと言わなかった。俺は〇にだけモテたかった。〇に好きになって貰えないからずっと苦しかったよ。』
「あっ…え、ごめん。本当に気づかなかった。」
『だろうね。真田しか見てなかったんだから。』
もう俺の気持ちは止められない
『そんなに泣くぐらいなら俺にしたらいい。』
「いや、でも今日フラれたばかりだし、ちょっと待って。」
『もう待たないよ』