第7章 義理じゃなくて【幸村】
「やっぱり、今年もう一度真田に告白しようかな」
『えっ。』
「今回ダメだったらきっぱり諦めるよう努力するよ」
『そうかい。。。見守ってるよ』
そう言う〇に俺は自分の気持ちを伝える勇気はないし、ふられてほしいだなんて思うような嫌なやつ。
でも、だからこそ応援してるや、頑張れ。なんて言えなくて。
ほんと待つしかできない意気地無しさ。
当日、相変わらず俺は好きでもない人からのチョコをたくさん持ってる。〇からはまだ貰ってない。
「あ!幸村ー!やっと会えた!はい。今年もどぉぞ」
『ありがとう。〇のはちゃんと大事に頂くよ。』
「あははぁ。なにそれー(笑)」
笑いながらも少しの緊張が〇にはあった。
視線を下にやると紙袋には一際凝った包装紙が見える。
あぁ。やっぱり俺のとは違うんだね…。当たり前か…。
『今から行くのかい?』
「うん…。精一杯伝えてくる!」
『うん。行っておいで。』
今ここで行かせたくないってなんで言えないんだろう。
ほんと俺って……。
しばらくして〇は戻ってきた。
『どうだった?』