第7章 義理じゃなくて【幸村】
また今年もいつものイベントが来る。
そう。バレンタイン。
俺はモテる方だ。毎年両手いっぱいチョコをあらゆる人から貰って消費に困ってるぐらい。
でも、望んだ相手からは…
「幸村ー。今年のバレンタイン何作ろうかなぁ。」
『去年は何だっけ?』
「生チョコだよー。幸村にも渡したでしょ?」
そうこれは所謂義理チョコ。友チョコとも言うのかな?
とにかく、本命ではないんだ。
「真田は何なら喜んでくれるだろ……。」
そう言った〇は少し寂しそうな顔で外を見てる。
『そうだなぁ。チョコじゃなくていっその事肉でもあげてみたらどうだい?』
「…もう!!ちゃんと一緒に考えてよー!」
『あはは。何がいいかなぁ』
ちゃんと考えてあげる気なんてないさ。
だってそれは俺の為じゃないんだから。
俺と真田と〇は小さい頃から一緒だ。
ずっと俺は〇が好きで
〇は真田が好き。
告白して1度フラれてるみたいだけどまだ諦めてないんだって。
真田は俺の気持ちを知らない。
〇がまだ自分の事を好きなのも知らない。
でも〇の事は友達としか見れないらしい。
もちろん俺の気持ちは〇は、知らない。
だからこんなに真田の相談をしてくる。
辛くない訳はないけど、こうして二人の時間があるのは幸せなんだ。