第3章 さとにゃんと、さとしくん
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「どうしたの?さとし…元気がないね?」
「なぁ〜ぅ」
だって、さとにゃん、とっても大事な夢をみたようにゃ気がするのに、ちっとも思い出せにゃいんだもん…
(大丈夫、また逢えるから)
「にゃ?」
「ん?どうした?」
今、にゃんか…
「……にゃぉ〜ぅ」
解らにゃいけど、何でかちっとも解らにゃいけど
まだ、思い出さにゃいでいいって、ぼくは思ったのにゃ
だって、誰かがそう言った気がしたのにゃ…
(そう、それで良いんだよ……もう一人の、ぼく……)
「んで?今日はずっとこの調子なの?」
「そうなんだよ兄ちゃん」
「……はにゃぁ」
思い出さなくて良いって思っていても、さとにゃんはゆうべの夢のコトが気ににゃって仕方にゃくって
おムネがモヤモヤして、ちっとも遊ぶ気ににゃれにゃかった
そんで、溜め息ばっかついてたのにゃ
…せっかくの、まーくんのお休みにゃったのににゃぁ…
「……にゃ」
「なんか変なモン食ったんじゃないですかね?」
かずくんがお夕飯のお刺身を箸でつまみにゃがら言った
「……しょんにゃの、食べてないのにゃ」
「へんなの食べるどころか、朝ご飯だってまだ全部食べてないんだから」
「え!そうなの雅紀?!」
だって、食べたくにゃかったんにゃもん
「そんな…夕飯だって残してるじゃないですか、さとしの大好きなマグロのお刺身だっていうのに…」
「…食べたくにゃいのにゃ…欲しかったらかずくんにあげるのにゃ…」
「くれるなら、もらいますけど」
「…こら」
「冗談ですって翔兄ちゃん…そんな睨まなくても(苦笑)」
かずくんは笑いにゃがらお刺身を一切れ箸で半分に切ると、さとにゃんのお口の前に差し出したにゃ
「ほら、ちょっとで良いから食べな?」
「…にゃ」
ぼくはちっちゃくお口を開けた
かずくんはそのちょこっとだけ開けたぼくのお口の中にお刺身をぽんって突っ込んだ
「おいしい?さとし」
「…おいしい、にゃん」
みんなに心配してもらって
ぼく、幸せにゃ…
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