第3章 さとにゃんと、さとしくん
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「ぅわーん!さとにゃんまだ死にたくないのにゃ!
もっとご主人さまたちと遊びたいのにゃ!お別れしたくないのにゃぁーーー!!」
うわぁーん!
しょーくん、まーくん、かずくん、じゅんくん!
さとにゃん、みんにゃとずっと一緒に居たいのにゃん!!
「違うよ、さとしくん。死んでなんか無いよ?」
「…くすん……違うのにゃ?」
「うん、だから泣かないで?」
「…じゃあ、にゃんでココにいるの?
だってココは、死んだモノがくるとこにゃんでしょ?」
さとにゃんが、ごしごしお目めから出たお水を拭いて言ったら
さとしくんの姿が、ぼやぁ〜んって、なってきたのにゃ
「?……さとしくん?」
「だってね、コレは、夢だから」
「……夢にゃ?」
「そうだよ……でも、夢だけど、夢じゃない」
そう言っている間にも、さとしくんはどんどん、ぼやぁ〜んって、薄くなってしまったにゃ
「まってにゃ、さとしくん!ぼくは、どうして…」
(またね、もう一人のぼく…)
「さとしくん!さとしくん待ってなのにゃ!!」
とうとう、さとしくんの姿は、ぽやぁ〜んって、消えてなくなってしまったのにゃ…
「……さとしくん」
ぼんやりさとしくんが消えてしまった辺りを見ていたら、さとにゃんはだんだんお目めが重たくなってきたのにゃ
「……さとし、く、ん…」
ぼくは、ふわふわの上に寝っころがって、眠ってしまったのにゃ
「おはよう、さとし」
んにゅぅ〜……んにゃ?まーくん??
「どしたの?キョトンとした顔しちゃって」
…あれ?にゃんで?
にゃんでさとにゃんまーくんとこで寝てるのにゃ??
「にゃぁ〜ぅ?」
「あはは、昨夜俺のトコで寝たの忘れちゃったの?
兄ちゃんも知ってるから、早朝に大声出さなかったでしょ?」
……あぁ!!
「にゃぁ〜お!」
「思い出した?(笑)」
そうだったにゃ!
さとにゃん昨日しょーくんとかずくんに引っ張り合いっこされて
そんでしょーくんがイイよって言ったから、まーくんトコで寝たんだったのにゃ!!
…でも
さとにゃん、にゃんか不思議な夢を見た気がするのにゃ…
「んにゃぁ〜…」
でも
…思い出せにゃい…
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