第9章 さとにゃんとさとしくんと、さとしくん
《…結婚なんてもんは、人生の墓場だ…ワシは、華の独身生活を謳歌してだな…》(←まだ言っている)
「ねずみちゃん!こっちだったのにゃ!!」
《…ん?》
ベリッぺたっ(←赤い札と黄色い札を貼り替えた)
《Σぅぎゃあぁああーーーっ!!!》(←そして、簡単に退治されるねずみおやじ)
ねずみおやじちゃんは、両手を上に突き出して、ぎゃーぎゃー騒ぐと
ぼうんと、煙りと一緒に消えてしまった
「…はにゃあ…ねずみちゃん、いなくなっちゃったのにゃ…」
……ぉーぃ
「にゃ?」
……ぉぉーーぃ!
「はにゃ!」
誰かの呼ぶ声がして、振り向くと
遠くで、おとぉさんとおかぁさんが、手を振っているのが見えた
そして、その真ん中には
おとぉさんとおかぁさんに、しっかりと肩を抱き締められて
幸せそうに微笑んでいる、さとしくんがいた
(ありがとう、猫のさとしくん
君のお陰で
僕はやっと、ママとパパに逢えたよ
ありがとう、本当に、ありがとう)
さとしくんの、本当に嬉しそうな声が
さとにゃんの頭の中で、聞こえた
(ありがとうね、さとにゃんちゃん
コレからは家族三人
仲良く交代制で、三途の川の番を勤めるわ!)
あ、おかぁさんの声にゃ!
(母さん!何で交代制なんだ?
皆で一緒にやれば良いじゃないか!)
今度は、おとぉさん!
(やかましいっ!!)
ベシッ
(Σ最後までコレっ!!)
…また、やってるのにゃ…(←さとにゃんに呆れられるのは、相当です)
(…さよなら、もう1人のぼく
最後に、ぼくから、君へのプレゼントだよ
お家に帰ったら、あの石をご覧
…きっと、良いことが起きるよ)
はにゃ…
良いことって、なんにゃろう?
(………さよなら、さとしくん………)
………さよなら………