第9章 さとにゃんとさとしくんと、さとしくん
ん~~
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「……Σにゃはっ!!」
パッとお目めが覚めると
さとにゃんは、さっきと違う白いふわふわの上にいた
ソコは、ピカピカの真っ白な石で覆われていて
前にテレビで見た「神殿」みたいだった
「…にゃ~…ここに神さまがいるにょかにゃあ?」
さとにゃんは、立ち上がると
ふわふわが漂う真っ白な石の上を、てけてけ歩いて「神殿」の奥へ向かった
「あ、誰かいるのにゃ!」
幾つかの門をくぐって奥へ行くと、正面にデッカい真っ白なイスがあって
白髪頭をてっぺんでちょこんと結んで、真っ白なローブを着たお爺ちゃんが
今にもずり落ちそうな格好で、そのイスに座っていた
さとにゃんは、そのお爺ちゃんの前にトコトコ走って行った
よく見ると、お爺ちゃんは、眠っているようだった
さとにゃんは、お爺ちゃんの腕を掴むと、ゆさゆさと揺らした
「こんにちは、にゃ!ぼく、さとにゃん!お爺にゃんは、誰にゃ?」
「…んあぁ?」
お爺ちゃんは、目をしぱしぱさせながら、ちょっと伸びをして、さとにゃんを見た
「ねぇ、お爺にゃんは、誰?神さまはドコに居るのにゃ?」
「あぁ?あんだってぇ??」
お爺ちゃんは、お手てを耳に当てて、渋い顔をした
「だから、お爺にゃんは、誰にゃ!神さまは、ドコにゃっ!!」
「あぁあ?あぁんだってぇえ??!」
益々、渋いお顔をするお爺ちゃん
さとにゃんは、お爺ちゃんのお耳を両手で掴んで、お口を耳に当てた
「だーかーらぁ!お爺にゃんは、誰にゃーーっ!!」
「Σぅおぉーーーっ??!」
耳元でさとにゃんが思いっ切りデッカい声を出すと
お爺ちゃんは、びっくりして飛び上がった
「あぁあ、あにすんじゃ!!」
「だってお爺にゃん、ちっともさとにゃんの言ってるコト、聞こえないみたいにゃったから」
「…だからってお前さん、加減ってもんがあるじゃろが…」
お爺ちゃんは、耳をさすりながらブツブツ言うと
デッカいイスに座り直した
「…で?あんだって??」(←結局聞こえて無かった)