第9章 さとにゃんとさとしくんと、さとしくん
むむむむぅ……
にゃんだか解んにゃいけど
フード付きさとしくんが、おとぉさんとおかぁさんのトコに行けないのは
このねずみちゃんのせいなのにゃ!
理由は解んにゃいけど、きっとそうにゃ!!(←所謂、野生の勘です)
さとにゃん、怒ったのにゃっ!!!
さとにゃんは、座り込んだまま、ポロポロお目めからお水をこぼし続ける、フード付きさとしくんを抱き起こした
(………)
抱き起こされたフード付きさとしくんが、黙ったまま俯いた
こんなにいっぱいお目めからお水が出て、かわいそうなのにゃ!
これじゃ、しょーくんが何人いても、足りないのにゃ!!(←そう言う問題か?)
さとにゃんが、退治してやるのにゃッ!!!
さとにゃんは、じろりとねずみおやじちゃんを睨んだ
「……悪いねずみちゃんにゃ」
《だから、ワシはねずみじゃ…》
「悪いねずみちゃんを退治するにょは、猫の宿命にゃ!!」
《だから、ねずみじゃない…》
「ウルサいのにゃ!!こんどうぶぎょう、にゃッ!!!」(←何処ぞの奉行だよみたいになってますが、多分“問答無用”って言いたい)
んがぶっ!!(←マジ噛み)
《Σ!!!!!!!》(←余りの痛さに声がでない)
がじがじがじっ(←更にかじってます)
《ΣΣ!!!!!!!》(←言葉に出来ない痛さです)
「わぁ~!おにぃちゃん、なんかかっこいぃ!!///」
「あふぃがふぉお!!!」(←有り難うと言ってます←勿論、スネに噛み付いたままです)
《…………こ、ここ……降参だ……離して(泣)》
「ふぁあ、ふぁとひふんひ、あふぁまへっ!!」(←じゃあ、さとしくんに謝れと言ってます←だから、かじったままね)
《うぅ…わわ、悪かったって…スマン、許してくれっ!!》
(………もう、遅いんでしょ?)
フード付きさとしくんが、俯いたまま言った
(……もう、いいよ……
もう、何だっていい…
もう二度と、ママとパパに逢えないなら…
もう………いい)
フード付きさとしくんが、ゆっくりお顔を上げた
お水をいっぱいこぼしたお目めは
まるで、何もみていないみたいに
暗く、沈んでいた