第8章 しょーくんの願い事
それぞれお出かけしているハズだったみんなに、さとにゃんが何しに来たの?
って聞いたら
しょーくんの“みあい”を見に来た
って言った
しょんで、かずくんが
「さとしも行きましょうよ♪」
って言うにょで
さとにゃんは、ケーキをトレーにてんこ盛りにして、しょーくんのいる“らうんじ”へ、みんなと向かった
「ん〜、ドコに居るんですかねぇ…」
らうんじのデッカイ植木鉢の陰に隠れて、かずくんがキョロキョロと辺りを見回した
「あ、アレじゃない?ほら、一際肩が撫でってる
昨日クリーニングから持って帰って来たの、あんなスーツじゃなかったっけ?」
まーくんが、かずくんの上からヒョイと顔を出して、窓際に座って居るヒトを指差した
さとにゃん達に背中を向けて座っているその人の向かい側には
綺麗な着物を着たお姉さんが、座って居た
さとにゃんは、ちょこっと横目で見ただけで、ケーキを食べ始めた
「じゃあ、あの人がお見合い相手かな?」
まーくんが、首を伸ばしてお姉さんを見た
「和くんの言った通り、ナカナカの美人だね」
「でしょ?(なんかちょっと違う気がしますが)」
「…そうか?普通じゃん」
植木鉢の後ろのテーブルで、黙ってケーキを食べるさとにゃんをお膝の上に乗っけて座っただーりんが
つまらなそうに言った
「そりゃ、潤くんは何時も綺麗な人に囲まれてるから、そう思うかも知れないですけど」
かずくんは、そう言ってだーりんの方に顔を向けると、その膝の上に座ったさとにゃんをジッと見た
「…ところで、さとし。
アナタさっきから食ってばっかですけど、見ないんですか?翔兄ちゃんの見合い」
「…べつに、見たくにゃぃのにゃ」
「ヤキモチ妬いてるんじゃない?」
まーくんがちょっと笑いながら言った
「…おもちは食べてないのにゃ。
全部ケーキにゃ」
「そうじゃ無くて
兄ちゃんがお見合いしてるの見るのが面白くないんじゃないのか、って意味だよ(笑)」
「…面白くなんかないのにゃ。
当たり前にゃ」
さとにゃんは脹れながら、ケーキをお口いっぱいに頬張った