第7章 かずくんの願い事
「…さとし…」
かずくんが、ちょっとウルウルしているお目めをさとにゃんに向けた
「だ、大事な人って…」
「お兄しゃんのおばか!あっかんべぇー、だっ!!」
「なっ…///」
ぼくは思い切りあっかんべーをすると、かずくんのお手てを引っ張ってお部屋を出た
ずんずん歩いて、かずくんのお部屋の前まで行く
「もぅ、頭来ちゃうのにゃ!あのお兄しゃん、かずくんのコト悪く言ったのにゃ!」
さとにゃんはプンプン怒ってかずくんの方を振り向いた
そしたら、かずくんはスンごく難しい顔をしていた
「にゃん?かずくんどうしたのにゃ??」
「……大事な人って……どう言う意味?」
「にゃ?」
かずくんは、両手でさとにゃんの手を握り直した
「……ソレって……俺はさとしにとって、特別だって、コト?」
「うん、特別にゃよ?」
「……潤くん、よりも?一番?」
「にゃ…?」
真剣な顔でそう言うかずくんのお目めは
さっきよりもずっと、ウルウルしていた
「ん〜……別に、誰が一番とかないのにゃ。
ダーリンも、しょーくんも、まーくんも、かずくんも、みんにゃ同じにゃ!
みんにゃさとにゃんの大事な人で、特別なのにゃ!」
「……同じ?」
「うん、おんなじ」
「……俺だけ、特別じゃなくて?」
「うん」
「……俺が、一番なんじゃなくて?」
「うん」
「……」
かずくんは難しいお顔のまま、黙りこんだ
「……どうしたのにゃ?」
「……同じ、か」
「にゃん?」
「……そんなの、特別でもなんでもない」
にゃ…
かずくん、またお目めからお水が出そうにゃ!!