第7章 かずくんの願い事
「…みんな、潤くんばっか持て囃して…どうせ、俺なんか家族の爪弾き者なんだ…」
「…にゃ?」
かずくん…どうしたのにゃ?
お元気がにゃぃのにゃ…
「…ゲームの一つもまともに作れない、三流のデザイナーなんて…家でも、会社でも…何処にも居場所なんかないんだ…」
「にゃ……かず、くん?」
かずくんのお目めから、一粒お水が零れた
「Σにゃっ!!大変にゃっ!!!やっぱりしょーくん呼ぶのにゃっ!!!!////」
「…だから、何で翔兄ちゃん」
「良いから早くしょーくんを呼ぶのにゃ!
しょーくんが来たらあら不思議、お目めのお水か止まるのにゃっ!!」
「別に翔兄ちゃん呼ばなくても平気だよ。
現にさとしだって泣き止んだじゃないですか」
「んにゃ?」
そうにゃったっけ?(←そうでした)
「お、おいお前ら!俺を無視すんな!!」
寝癖のお兄さんが声を裏返しながら怒鳴った
「あ、お兄しゃん、ごめんね?
ぼく、かずくん来たからかずくんのお部屋に帰るのにゃ!」
「ちょ、ちょっと君!」
お兄さんがまたさとにゃんの腕を掴んだ
「そうは行かないよ!君は俺のモデルになって貰うんだからっ!!」
「でも、さとにゃんはかずくんのモデルにゃんしてるのにゃ」
「こんな三流のデザイナーには君みたいな逸材は勿体ない!」
「……」
物凄い勢いでそう言ってぼくの手を引っ張るお兄さん
そんなお兄さんを見て、かずくんが悔しそうに俯いた
「…悪口、にゃ?」
「え?」
ぼくはお兄さんの手を退けた
「どう言う意味か、さとにゃんにはさっぱりにゃけど…今の、かずくんの悪口でしょう?」
「い、いや…悪口じゃないさ!本当の…」
「悪口にゃっ!!」
ぼくはまたぼくの手を掴もうとするお兄さんの手を、べチッと叩いた
「ぼくの大事なかずくんの悪口を言う人なんか、嫌いにゃっ!!」