第6章 じゅんくんの願い事
「さとにゃんが、さとにゃんじゃ無くなっちゃうって、どうゆうことにゃ?」
「つまりな、さとしや
お前には呪いの様なモノが掛けられておるのだ
わたしゃには、それが見える…なにせ、ボスだから(←?)」
「のろい?さとにゃん、意外と俊敏にゃ!」
「いや、そうでなくて」
ボスちゃんはうぅ〜んって伸びをすると、ダンボールをトテトテ降りて来た
「…こっちにおいで、さとし」
「…?…うん」
ぼくはボス猫ちゃんの後にくっついて、裏路地を後にした
「ドコに行くのにゃ?」
「…真実を映す壁の前じゃ」
「真実を映すかべ??」
なんのことかにゃ?
って思ってたら、ボスちゃんはゴミ捨て場に置いてあった、でっかい鏡の前で止まった
「これを覗いてごらん?」
「なんだ、コレは鏡にゃ!さとにゃんちにもあるから知ってるのにゃ!」
さとにゃんは言われた通りに鏡の前に立って自分をみたのにゃ
…そしたら…
「Σんっきゃぁーーーーーっ!!
後ろににゃんかくっついてるぅっ!!!
くっついてるのにゃぁーーーーーっ!!!!」
「…その、ぼんやりと見える人影が、お前に取り付いた呪い
つまり、風山家の死んだ長男の怨霊だよ」
「お、おんりょう?」
たまにしょーくんがでっかくし過ぎたってイヤホンを外して喚いたりする、アレのことにゃ?(←違います)
「お前が夜の間人間になっていたのも、全部その怨霊の呪いの所為だよ
きっと、お前が貰ったっていう石にその怨霊の力を増幅される作用があって、兄弟たちの願いを叶える事で、更にその力を大きくしているのだろう
…だから、猫の姿に戻れなくなったのだよ」
「むにゅぅ〜…さとにゃんには、むつかしくって、さっぱりにゃ」
「つまりな?
お前が風山家の兄弟の願い事を叶えると、呪いの力が大きくなって、どんどん人間に近付いて行く
そうして、完全な人間になった所を見計らって、その体を乗っ取ろうとしているんだよ」
ボスちゃんが、さとにゃんの斜め後ろを睨んで言った
「…そうなんだろう?風山智」