第5章 まーくんの願い事
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「…さとしも、俺と同じ様にして?」
「えっとぉ……こうにゃ?」
「…そう。後、ナイフとフォークは、外側に置いてあるのから順番に使うんだよ」
「はぁ〜ぃ!…でも、何でこんなにいっぱいあるのにゃ?」
「…料理が変わる度に変えるからさ」
「えぇ〜?にゃんで?洗いものが増えるって怒られちゃうよ?
しょーくんが、洗いモノが多いのはエコじゃない!って、言ってたのにゃ!!」
お店の人に怒られちゃうって思って心配してたら、じゅんくんが笑いだしたのにゃ
「はははは、大丈夫だよさとし。こうゆう店ではね、ソレがマナーなんだよ?」
「まなー?」
なんにゃ?しょれ?
さとにゃんが“まなー”の意味が解らにゃくて首を傾げてたら、じゅんくんが
「…マナーって言うのはね、要するに、気持ち良く事を運ぶための決まり事だよ」
って、教えてくれたのにゃ
「ふぅ〜ん、そうにゃんだぁ」
さとにゃん、また一個おりこうになったのにゃ!!
「お待たせ致しました…此方は、シェフからの特別な一品で御座います」
さとにゃんがちょっと得意ににゃってたら、黒いぴっちりしたベストを着たお兄さんがお皿を運んで来た
「特別って、なんにゃ?」
「…お得意さんは、コースに無い料理をシェフから特別に振る舞われたりするんだよ(笑)」
「左様で御座います。風山様は、特別なお客様ですから」
そう言うと、お兄さんはじゅんくんの前にお皿を置いた
しょれから今度はさとにゃんの前にも同じようにお皿を置いた
「…くんくん、にゃんか、イイ匂いにゃ…」
「…フフ、こらさとし、お行儀悪いぞ?」
「ん〜、だって、すっごく美味しそうにゃ匂いにゃ!」
さとにゃんが身を乗り出してお皿を覗きこんでいたら、お兄さんがニッコリ笑って言った
「お連れ様がマグロがお好きだとお伺い致しましたので、マグロのタルタルステーキをご用意させて頂きました」
「わぁ〜ぃ!まぐろまぐろぉ〜♪」
「…良かったな、さとし」
「うんっ♪…じゅんくん、食べてイイ?」
「…勿論」
「やったぁ〜♪♪」
ぼくは、じゅんくんに教えてもらった通りに外側からフォークを取った
「いっただきまぁあ〜す♪」
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