第9章 寂しい夜・宇髄天元
さらに2日後、やっと帰るという連絡が烏から来た。ただ、何時に戻るかはわからないようだった。
夜になり、宇髄は担当地区の見回りに出る。
「ただ今帰りました。」
ひなたが玄関を開ける。宇髄とほぼ入れ違いでひなたが帰ってきた。
「天元様も任務かしら?とりあえず湯浴みしよっと。」
ひなたは自分で湯を沸かすと、久しぶりの湯船に手足を伸ばした。
ガラッ
浴室の戸が開いた。立っていたのは裸の宇髄だった。
「天元様っ!?」
ひなたは両手で自分の顔を覆った。
「、、、帰ってたのか」
「、、、はい、つい先程」
顔を覆ったひなたの横で、天元は体や頭を洗っている。一通り洗い終えると、ひなたのいる湯船に入った。ひなたを膝の上に乗せて、後ろから抱きしめる。
「、、、遅ぇ」
宇髄の拗ねたような声が聞こえて、ひなたはそっと後ろをうかがった。拗ねた表情の宇髄がいて、ひなたは口元を綻ばせる。
「遅くなってしまい、申し訳ありません。」
「全くだ。」
宇髄はひなたのうなじにおでこをぐりぐりと擦り付けた。まるで犬か猫のようだ。
「、、、こっち向け。」
宇髄はひなたの頬を手をやると、自分の方に向け、性急に口付けた。