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鬼滅の刃 裏 短編集

第36章 何度も何度も・不死川実弥


「遅くに悪いが、泊めてくれるかァ。」
実弥は、藤の花紋の家の玄関に立っていた。もう日を跨いでいる。
「まぁまぁ、鬼狩り様。お疲れ様でございます。今お部屋とお食事とお風呂の準備をいたしますね。少しお待ちください。」
出てきたのは50代くらいのご婦人だ。確か仲のいいご夫婦で暮らしているはずだ。
実弥は玄関で草履を脱ごうとした。その時、玄関の端に女物の靴があるのに気が着いた。見覚えのある靴だ。
「おい、今日ここに別の鬼狩りが来てねぇか?」
実弥が慌てて問いかける。ご婦人が振り返る。
「えぇ、いらっしゃってますよ。様とおっしゃる女性の鬼狩り様です。」
「やっぱり、、、悪いが食事も風呂もいらない。そいつのところに案内してくれないか?」
「はい、それはいいですけど。」
ご婦人は首を傾げながら、実弥の前を歩く。




「こちらのお部屋にいらっしゃいます。」
「悪かった。後は放っておいてくれて構わない。」
実弥はご婦人が廊下の先に居なくなるのを確認してから、目の前の襖を開けた。
「、、、実弥さん?」
驚いたようにこちらを見ているのは間違いなくだった。は、もう寝るところだったのだろう、寝衣で布団の上に座っていた。
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