第30章 あたためて・不死川実弥
は今日、任務が休みだった。そろそろ深夜になる。は就寝の支度を始めた。
ここは風屋敷。屋敷の主であり、恋人でもある風柱・不死川実弥は、任務で1週間程帰って来ていない。
は小さく溜息を吐いた。やはり1週間も離れていると寂しいものがある。が布団を引こうと押し入れに手を伸ばした時、玄関が勢い良く開く音がした。は手を引っ込めると、急いで玄関に向かった。
「よぅ、まだ起きてたのか。」
そこには思ってた通り、不死川実弥の姿があった。は抱き締めようと手を伸ばしかけて気づいた。不死川はびしょ濡れだった。
「雨降ってたんだ。拭くもの持って来るね。」
「いや、自分で行くからいい。」
不死川はの後頭部に手を回すと触れるだけの口付けをした。
「、、、早く抱きてェ。」
唇が触れる距離でそう呟く。
「布団の中で待ってろォ。体拭いたら行く。」