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鬼滅の刃 裏 短編集

第27章 回り道・宇髄天元


「先生っ。起きてっ。私だよ。」
の慌てた声がする。宇髄は目を開けた。が真っ赤な顔をして、こちらを見ている。宇髄は自分達が恋人同士ではない事を思い出した。抱き締めた腕を解いた。
「もう、びっくりした。先生、寝ぼけ過ぎ。」
が笑う。手に水のペットボトルを持っていた。
「はい、これ。煉獄先生から。昨日飲み過ぎたって聞いたよ。様子見てきて欲しいって頼まれたの。もう昼休みだよ。」
がペットボトルを差し出した。
「あぁ、悪ぃ。ありがとな。」
宇髄はペットボトルを受け取ると、ゴクゴクと水を飲んだ。
「ね、先生。」
が、何か言いにくそうにしている。
「どした?悩みでもあんのか?」
「悩みって言うか、なんて言うか。聞いてくれる?」
宇髄は頷いた。
「夢にね、宇髄先生が出てきたの。学ランみたいな服着て、何かと戦ってた。」
宇髄は驚いた。記憶が戻りかけてる。
「あまりにもその夢がリアルでさ。夢じゃないみたいで。」
宇髄がを抱き締める。
「先生っ。」
「夢じゃねぇ。」
宇髄が絞り出すように言う。
「夢じゃねぇんだよ。」
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