第27章 回り道・宇髄天元
宇髄は目を疑った。
「、、、」
前世で愛を語り合った恋人が目の前にいる。それは勤めている高校の入学式のことだった。
宇髄天元は前世の記憶がある。鬼殺隊という鬼を倒す組織に所属していて、音柱をやっていた。殺伐とした中にあった心の拠り所は、恋人のであった。の事を思い出したのはいつの頃だったか。探しても探しても見つからず、ここ数年は諦めていた。それが見つかったのだ。しかし相手は自分の生徒になっていた。記憶も持っていなかった。
「。お前、美術担当な。持ち物伝えるから授業終わったら俺のところまで来い。」
そう言ったら、驚いた顔した後に、
「はーい。」
と笑って返事をした。周りの生徒が、
「私が美術担当する。」
と言っていたが、適当に断った。美術の担当は一人でいい。