第19章 狂愛・産屋敷耀哉、悲鳴嶼行冥
「はじめましてだね。」
そう言って微笑んだ。は一目で心を奪われた。心どころか魂さえも揺さぶられる。は慌てて膝をついた。
「お初にお目にかかります。と申します。鬼殺隊としてお役に立てるよう、邁進いたします。」
深々と頭を下げた。耀哉はそれを目を細めて見ていた。
ある日お館様から呼び出された。
(何か失敗でもしたかな?)
は不安な気持ちでお館様の屋敷へ向かう。通されたのはいつもの場所ではなく、屋敷の奥の一部屋だった。は首を傾げながら、部屋の中央辺りに正座した。
「待たせたかな。」
すらりと襖が開いて、耀哉が入ってきた。は頭を下げる。
「頭を上げておくれ。呼び出したのはこちらだからね。」
耀哉もの前に正座した。
「私、何かしてしまいましたでしょうか?」
頭を上げずには言う。ちょっと泣きそうだ。
「そうじゃないよ。とにかく頭を上げて。」
はおずおずと頭を上げた。