第1章 序章
ここはキスミー家の別邸ー
正午を迎えようとしていた。
ギィッー
重たい扉を開き、突然現れた男にその場にいた執事やメイドが驚きながらも頭を下げる。
ゴード「もう良い。下がれ。」
従者を全員下げさせるとエントランスで
ゴード「お前たち!!全員出てこい!!」
大声で叫ぶ。
シドー「お父上!どうされましたか!?」
いきなりの来訪に本城より離れた別邸にて過ごしていた五人がバタバタと出迎える。
ナーヂ「急に来られる等、もし分かっていたら我々も準備いたしましたが・・・?その女性は誰です?」
逃げようとゴードの掴んでいる手を必死で引き剥がそうとする女性が1人。
だが、ゴードの片手は微動だにしない。
ゴード「歓迎は無用。今日はこの女を渡しに来たのだ。」
グレグ「女を?・・・また、どうしてです?」
ゴード「お前たちを育てる為だ。・・・シドー。客間に案内しろ!」
シドー「はっ・・・はい。」
父に畏怖しながらも部屋へと案内する。
シドー「此方でございます。」
シドー「うむ。・・・」
五人全員が入り扉が閉まるのを確認すると女をベッドへと突飛ばした。
?「私を・・・どうする気です?」
震え、怯えながらもベッドの上から6人を必死で睨み付ける。
ベッドが全員で囲まれている為逃げられない。
クロタ「この子、怯えていませんか?」
そわそわとクロタも落ち着かない。
シドー「こいつは先日通った村から連れてきた。どうだ?ギートいい女だろ?」
舐めるように上から下までじろじろと見ると満足そうに自身の髭を撫でる。
ギート「・・・はい。とても顔が整っていて。」
言いながら顔をほんのり赤らめる。
シドー「そうであろう。・・・でだ。お前たちはまだ、結婚すらしていない。当然皆、貴族の娘を貰うだろうが、体裁として処女であることは間違いないだろう。それ故童貞ではリードしてやることも難しいだろう。・・・そこでこいつだ。」
ナーヂ「この子で練習をすれば良いのですね?」
優しく微笑みながら女を見る。
ギート「うむ。その通りだ。夜は誰かが必ず供に寝て技術を磨くこと。・・・分かったな!」
4人「はっ。」
さっと父に頭を下げ返事をする。
腑に落ちないクロタだけが何も言わず頭だけを下げる。