【夢小説】オタク+オタク=? 番外編【影山飛雄/R18】
第15章 オタップルの大人への階段登り
影山は朔夜に惚れている自覚はあるが、やっぱり先に好意を持ったのは朔夜なのだと、こう言う反応をされると自覚して気分も良くなる。
普段振り回されている分、主導権を完全に奪い取ってやりたくなる。
「さく」
「うにゅ…………」
もそり、と胸元から顔を上げて影山を見てきたので、また顎を掴んで朔夜に伝えてみた。
「大人のキスしようか」
「大人の、キス……」
「そう。俺も初めてだから」
「…………する」
熱の篭った目で答えた朔夜を再びベッドに押し倒す。
朔夜が逃げ出さないのを確認して、顎を掴むと親指で下唇に触れて口を開かせる。
そして唇を重ね合わせると、くにゅりと朔夜の口内に影山は舌を侵入させた。
口内に在るモノなど、舌しかない。行き場のない朔夜の舌を自分の舌で絡めとってやった。
初めて触れた他人の舌の感触は言葉に表せなくて、影山の知識では説明しづらいが固くも柔らかくもない。
「……………んっ……」
口の端から小さくだが、ハッキリと艶っぽい朔夜の声が漏れた。初めて聞いてしまった朔夜の『女』の声に、影山はディープキスを止めて股間を押さえ込んだ。
「……とび、ぉ?」
少しだけですぐに止めてしまったのが、朔夜には不思議過ぎたらしい。ぽーっとした表情をしてはいるが、どうしたのか、と言う様子で影山の事を見つめていた。
一方の股間を押さえている影山は、肩で息をしながらに思っていた。
(危ねぇ…………声だけでイく所だった)
今の朔夜の声は勘違いではなく、喘ぎ声だ。本人に自覚があるかどうかは分からないが。
今までそう言う雰囲気に近い状態は何度か合ったけれど、毎回不発で終わっていた。
それがもう不発に終わらない段階に入れた事の喜びと、朔夜の女の部分を知れた興奮で頭がおかしくなりそうだ。
兎に角、まだ物足りないし終わりにしたくない。
「おし……」
「もっと」
朔夜の声を遮る様に言うと、肩を抱き上げてディープキスを再開した。今度は慌てずにゆっくりと味わうかの様に、舌を絡めとっていく。
「……ん…………ふっ……」
呼吸をしたいのか、絡め合う度に朔夜の声が漏れてくる。まだ声を聞く度に頭がクラクラしてしまうが、一度目程の自制の効きのなさはなくて安心していた。