(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第13章 『Goddess』1
椎奈「あった……ここがクリスの部屋ね!」
廊下の左右に幾つもあったドアの中、教えてもらった番号と同じ部屋の前に立った私は部屋の横に取り付けられたインターフォンを押した。すると中からビーッとチャイムの音が聞こえ、暫くしたら外開きのドアが開いてプラチナブランドの妖艶な女性が現れた
クリス「Hi、椎奈……久しぶりね」
椎奈「Hi、クリス!会えて嬉しいわ!」
慈しみの笑みで私を迎え入れてくれる彼女、組織の幹部のベルモットことクリス・ヴィンヤードと熱い抱擁を交わした。外国人の彼女となんて滅多に会えない。だから少しの間、玄関先で抱擁の再会を喜んだ後はすぐに部屋に通してくれた
すると室内はさすがの高級ホテル、トイレとお風呂は廊下の左右にあって奥には綺麗で広い寝室とテレビルーム、更に凹んだ構造になってキッチンまでもが備わっていた。ホテル住まいも出来そうなぐらい完璧なデザインだった。私は奥のテレビルームのソファに座らされて、そこに紅茶のポットとカップを運んできた男達を見て唖然となった
嫌な予感が的中してしまった瞬間だった
「初めまして!こうして仕事とは言え、有名な貴女に会えるなんて感激ですよ。僕は安室透と言います!」
「ずっとファンだったんだ、応援してる相手に会えるのは嬉しいな。俺は緋色光だ」
「は、はい……ありがとうございます。SHINAです」
な、何でだあああああ!!何でこんな感じで再会しちゃうんだ?!絶対疑われるじゃん、めっちゃ不気味なニコニコ笑顔になってんじゃん?!
どうか今の私の演技を褒めてほしい。一瞬硬直してしまったけれど、取り乱さずに初対面のふりで自己紹介が出来ました。ひとりは安室透と名乗る姿が昔と変わらない降谷さんで、もう一人が顎髭で少し大人の魅力が増えた諸伏さん。内心は二人の胡散くさい笑顔と、知り合いだからこそ察知できる凄みにガクガクブルブルだけど。気分はライオンの前で怯える憐れなチワワです
クリス「……ああ、顔だけは良い連中だから驚かせたわね。彼らがそうよ、パーティーで陰ながら私達に近づく人間を避けてくれるわ」
安室「ちょっと待って下さいクリス、顔だけだなんて酷い言い様ですね」
緋色「同感だ。俺らは真面目なアルバイターなんだけどな。誤解されてしまう」