(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第38章 漆黒の葬列 後日談

───新一side
ここは警視庁一階の窓口付近にある相談室。オレの事情聴取には佐藤刑事と高木刑事が出てくれて、松田刑事に喋った内容をそのまま話した確認作業ののようなものだった。ただ今回オレが機械音声で通報した件について、「誰からそんな機械をもらったの?」と尋ねられて誤魔化し方が思い浮かばず、博士に貰ったオモチャと答えた時の二人の顔が。博士がいるだろう隣室を見やる視線がドン引きしてる風なうえ、桝山さんと共犯であろうオレが話を盗み聞いた存在の捜査が難航している事に二人から「ごめんなさい」と謝罪された。恐らくオレが証言を曖昧にさせたせいで証拠不十分になるのに加え、桝山のスマホが火事でデータを破壊されてしまい、電話相手を素早く調査出来なくなったりしたのだろう。けれど通話の履歴は6ヶ月までなら携帯会社に請求出来るし、ホテル内でのジン達の目撃情報があったとしたら、もしや警察はそこからジン達に辿り着けるかもしれない。
コナン「(……きっと色々片っ端から調査すれば、人数次第で時間がかかっても特定される可能性は高い。そうなるととジン達は共犯者として逮捕されるし、それでジンやウォッカから組織の存在が捜査過程に浮上すれば……いいやそれはないな)」
そうやって聴取の最中に捜査の展開を想像していったオレだが、灰原曰く組織への執着心と躊躇いの無さが凄まじいというジンが大人しく警察に捕まる可能性は極めて低いらしい。何なら逮捕される前に悪足掻きで自殺するタイプだろうから、というのはあくまで憶測だ。そして暗殺に失敗した桝山さんを即日殺害してしまった事から、今後も例の組織の犯罪に遭遇した時、犯人自身が死んじまう可能性を考慮した行動をしなくちゃならない。オレはジン達を含めた組織の連中を絶対許せそうにないけど、奴らを追い詰めた果てが殺人や自殺で死亡による終幕なんて喜べないから……。そう思いながら兎も角、慎重に矛盾や不審点が無いように聴取を受け答えしていった。
その一方で灰原はオレとの行動に加えて爆弾騒ぎ中に酒蔵付近で迷っていたこと、姉さんに発見されて一緒に避難したことを説明。そして別室では大人で保護者の博士と姉さんが聴取を受けてたんだけど、博士の聴取の方はちょっと時間が長かった。昨夜姉さんが言ってた通り警察から注意されていたのか、何十分も遅れて担当だった伊達刑事と部屋を出て来た。
