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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第37章 漆黒の葬列 後編



そうして私達姉弟の会話が一先ず途切れた所で、不意に博士が持っている無線機が鳴り出した。ピピピッピピピッと突然車内に響いたアラート音で、三人同時にハッとなる。ここにいない哀ちゃんだけしか、これを鳴らす人物がいないのだ。なので後部座席の新一が前席の間に身を乗り出して、「博士!出て!」と慌てて指示するよりも前に博士が応答ボタンを押していた。



阿笠「あ、哀くん?どうしたんじゃ?」

灰原【ねぇ博士……そこに江戸川くんはもういる?】

阿笠「あ、ああ。椎奈くんもおるよ」

灰原【そう……実は私、江戸川くん別れた後に誰かに薬で眠らされて、何処かの酒蔵に監禁されてるの】

コナン「はぁ?!お、おい、誰かってまさか……」

灰原【ええ……恐らく組織の一員、ピスコ!!】

コナン「な、なんだと?!」

博士「哀くん……っ」




推測ながら誘拐されて監禁状態にあるらしい哀ちゃんの、あまりに危険な現状に愕然とする新一。電話越しの彼女から伝わる緊張感に、博士も私も表情が強張る。




灰原【きっと私に薬を嗅がせた後、トイレに連れ込んでツナギに着替え、私をダンボール箱に入れてここへ運んだのね……。ツナギと私が入れそうなダンボール箱があったわ……。どうやらあの議員を会場で殺しそびれた場合……トイレで殺してここへ運ぶつもりだったかも……】

椎奈「と、とにかく哀ちゃん!脱出方法を見つけましょう?何だか具合が悪そうよ」

灰原【もうやってるわ……大人の姿なら何とか手足を突っ張って登れそうな暖炉があったの……。それに、江戸川くんを以前元に戻したっていう白乾児(パイカル)も……。多分そのせいね、気分が悪くて動き辛いったら無いわ……ゲホッゲホッ……】

コナン「白乾児……そうか、元に戻って脱出するのか!!」

灰原【まぁ彼らは幼児化した私を監禁したんだもの、逃げても二日と経たずに見つけられてしまうわ……。そうなれば彼らは私を匿っていた博士は勿論、関わった人達を秘密保持の為に抹消するでしょうね……。だからさっきパソコンにあった薬のデータをUSBにコピーして、酒蔵の中に隠したから見つけて頂戴……私の死体を組織が運び去った後でね……】

コナン「お、おい……」




時折咳き込みながら息苦しそうに喋る哀ちゃんは実際は無事で、新一にUSBのデータを入手出来たと伝えて来た。
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