(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第34章 浪花事変(事件はないよ!!)

ましてや幾日前の説教で親父は「平次は確かに人の何倍も努力して探偵になっとる、仕事の態度は荒削りやけど知識も剣道も立派なもんや」って珍しく褒めて貰えたと思えば、「せやけどオレらは、両親揃って早熟で賢い息子に甘えとった」って。「説教するんも怒鳴ってばっかで真面な指導も対話せんと、気づけば高校生まで育って反抗心剥き出しの探偵になっとった」って……。ぶっちゃけそれ聞いた当時は「何やそれ、ふざけんな」って思ったけど、経緯はどうあれ冷静に色々話せて嬉しかったんも本音やった。それで今日の工藤の姉ちゃんのやり取りや、流石に漸く自分の捻くれた弱音に本格的に気づいてもーた……。
確かに探偵になったキッカケは気難しい親父と周りの大人に対する反抗心や、誰よりも優秀で賢くなりたいんもそう、危険かどうかを考えもせず行動に出るんも、手柄と勝敗に拘ってたんもそう。やけどそれは純粋に昔から親父の背中に色んな思いがあったからや、ホンマはただ気難しい父親と凛々しすぎる母親の分かりやすい愛情欲しさと、周りの大人子供問わず関心・賞賛を求める承認欲求……。
要するにまぁ、オレは意外と自分が思うより子供やったってわけでして。せやから多分今まで誰とも本格的な喧嘩に発展せんかったんは、もろに反抗期の典型的な状態やったからやと思う。
平次「……なるほどなぁ。会えん事情があるんやったらしゃーないし、会える時期まで諦めときます」
和葉「平次……理性ぶっ飛ぶぐらい頭に血ぃ上っとったんやな……」
呆れ果てた幼馴染がちょっぴりジト目でオレを見る中、工藤の姉ちゃんは意外にもオレと弟の探偵勝負に乗り気で提案してくれた。それは単にオレと弟で優劣決めるのに興味があるからしたんじゃなくて、オレ達が実際の事件で不謹慎に他人を巻き込むことなく、健全な向上心を育む為の意見やった。そんで父親・優作さんにも取り合ってくれる言うんやから、ホンマに機会を儲けてくれるんは有難い……。
おまけに工藤の姉ちゃんは意気消沈する和葉のフォローもやっとって、またまた意外にも「喧嘩はダメ」とは言わんかった。思えばオレが工藤に喧嘩腰なんも腹を立ててへんのも疑問や、姉ちゃんの雰囲気も性格もヤンチャそうには見えへんから。やけど『周りに迷惑をかけない』、『度が過ぎない喧嘩』って言葉に、吹き出しそうになった。
──────服部side AND
