(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第33章 黒の組織から来た女2
──────新一side
まさかたった二日間の連休明けで、家族や博士に混乱させられるなんて思いもしなかった……
県外にいた前日に博士から家へ来るよう連絡が来ており、平日なので学校があるからすぐに電話で要件を聞きたかったけど直接話しておきたい事らしい。なので蘭や小五郎のおっちゃんには「今日の帰りは博士の家に寄って来るね」と伝えておき、登校してみれば朝のHR(ホームルーム)に転校生が紹介された
転校生は明るい茶髪に小柄な女の子で灰原哀というらしく、子供にしては静かな落ち着きぶりがミステリアスで何故かよく似合い、容姿は『可愛い』よりも『美人』が当て嵌まる。そんな新たなクラスメイトの転校に、子供達は男女問わず大盛り上がりだ。別に転校生が女の子だったぐらいで、そんなに大騒ぎするもんじゃないだろうに……
思わず呆れてしまった俺だが、本当に小学生だった頃に同級生から女の子の蘭に名前を呼ばれるだけで揶揄われた経験を思い出す。その時に仲良くするのが恥ずかしいと感じた俺は苗字呼びで壁を作って、それで拒絶されて落ち込んでいた蘭を見て園子が怒り、同性の姉さんを味方につけようと相談された。まぁその件は姉さんも子供特有のトラブルだから怒ったりせず、呆れもせずに繊細だった俺達のフォローをしてくれて……。当時は暫く周りの目を嫌にならない距離感を取ったり、電話する時や俺達だけでいる時だけ名前呼びにしたり、それを寂しがる蘭には「他の子達にも目を向けてみよう、素敵な友達を作ってみよう」と姉さんが勧めていた
そう考えると成程、確かに小さな子供のジェンダー意識は興味の方向性が極端に凄いものだ。あの時の俺達は性別の違いで散々複雑な思いをさせられたけど、今の俺の同級生は純粋に嬉しい気持ちが前面に出てるだけ。そう気づいた俺は無意識に口角が上がって笑っていて、灰原の目線が俺に向けられているのを知らなかった──────
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その後、転校して来た灰原は女の子同士で仲良くなりたい様子の歩美に積極的に話しかけられていて、光彦と元太も一緒になって「少年探偵団をしてるから、何か困ったことがあったら言ってね!?」と。そして「もしよかったら灰原さんも一緒に探偵団に入らない?』と勧誘されていた。けれど「そうね、考えてみるわ」とクールな態度で返答していて、あまり乗り気じゃない態度なので残念がっていた
