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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第31章 10億円強盗事件、後日談



───新一side


先日起こった10億円の強盗事件、それは犯人と見られる三人の容疑者達が死亡したという後味の悪い形となって世間に報道されていた。最後の一人であった強盗犯の広田雅美さんが発見され、夜半の廃れた埠頭で上半身を拳銃で撃たれた銃殺で。俺は結局、怪しんでいた広田雅美さんの家で証拠を掴んだ直後に気絶させられ、気づいた時には駆けつけて来た松田刑事達によって『強盗犯の被害者』という立場で保護されていた。しかも俺が意識が無くなっていた僅か数十分で松田刑事達が雅美さんの行方を突き止め、俺が何も出来ない一方、雅美さんと強盗犯を狙った殺人犯の逮捕に赴いた


どうやら雅美さんの逃走も考え、実働班と町内の監視カメラ探索班が同時に動いたらしく、素早い連絡によって更に俺の面倒を見る人達と逮捕に走る人達に分担。だけど、現場に駆けつけた時には一足遅かった。と言うより、現場に到着する前に別の部署から正式指令を貰ったという連絡が回り、今回の事件の捜査権がそちらに移されたそうだ


だから警察庁の部署とは何処で事件がどうなったのか、という疑問を後日馴染みの高木刑事に聞いてみても情報は皆無だった。彼以外にも捜査一課のメンバーを尋ねてみたけど、移転先も事件の情報も上層部から一切説明が無いらしく何も分からなかった。俺が博士に頼んで後日、ニュースで発表された現場に行ってみたけど手掛かりは無くて、当然警察が踏み込んで捜査した後に処理は済んでいたのだ


……それが俺にとって、初めて探偵として嫌な経験をした事件だった。あの時、俺や警察は雅美さんが強盗犯のメンバーであり、罪を被せられた挙句、第三者によって殺される事が分かっていた。なのに彼女の命を救えなかったどころか、俺は事実を突き止めるのも出来ないのだから無性に悔しかった。勿論、だからって警察の人達を責めてるつもりもない。あの人達の迅速な判断と行動力でも間に合わなかった以上、気絶していた俺が後手で動いたところで防げたなんて思えない……


もしもを幾ら考えたって、現実も事実を変わらないのだ。それが余計にやるせなく思って、今の自分がいかに無力かを痛感した




だから今度こそ同じ過ちを犯さない為に、加害者と犯罪を増やさない為に。俺は博士の発明品に少しでも縋るしかないと思ったんだ……
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