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(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)

第30章 10億円強盗事件



すると幼馴染である降谷零と諸伏景光に忠告された通り、ジンに「それは出来ねぇ相談だな」と不適な恐ろしい笑みで裏切られた。そのまま絶望しきっているフリをすると、上半身に何発もの銃弾を撃たれてしまった。その時に痛みで呻きながら血を流して倒れ伏し、瀕死の重傷を演出したが……。実際は血糊を仕込んだ防弾チョッキのおかげで無傷ですみ、さすがに撃たれた時の痛みはあったが、無事に組織を欺いて死亡偽装が成功したのである











そうして、10億円強盗事件から数日後。警察庁の警備局警備企画課に宛てがわれている会議室に世間では死亡している宮野明美と、公安警察である降谷零と諸伏景光、そして密かに来日して来たFBIの赤井秀一が顔を合わせていた


本来の彼女は先の事件をきっかけ死亡にした為、今後組織に隠れて暮らしていくべく証人保護プログラムを受けるのだ。何故ここで日本が偽装の全てを行わないのかと言うと、少しでも安全に保護する為に情報隠蔽を強める保険である。FBIには宮野明美の死亡登録と10億円強盗事件のあらましを明かし、日本の保護下に入る旨を受理させた。何せ宮野姉妹の戸籍は日本にあるし、明美が犯した罪も、顛末も日本の管理下にあるのだ。更に日本とFBIが協力体制でなければ、こういった私情の絡んだ処遇は通らなかっただろう


そんなわけで当然、彼女の戸籍情報が見直されて赤井家と宮野家の血縁関係が話に上がり、赤井は気まずそうな顔で目線を晒した。四人は机を挟んで1対3で向かい合い、FBIの赤井が一人で座っている




降谷「……どうやらその様子だと知っていたようだな」


赤井「……ああ……」




降谷の静かな問いかけに対し、赤井は普段より低くて固い声音の返事で頷いてそれ以上の言葉は無かった。「やっぱりそうだよな……」深いため息とともに頭を抱える諸伏の隣で、明美はただただ冷静に正面の赤井を見据えていた


三人も分かっているのだ、警察の捜査に私情があってはならない。赤井秀一は潜入の仕方がめちゃくちゃだったが、一線を越えた肉体関係も無いまま清い付き合いをし、利用されてでも一緒にいようとした明美を諭して別れたのだ。赤井は必要以上に多くを語らないが、妹思いの彼女が拒絶するのを見越して一人だけ逃げる選択を告げなかった事も、それまでの行動もきっと不器用な彼なりの誠意だったのだろう
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