(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第30章 10億円強盗事件
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この報告を聞いて宮野家と親しかった零くんの怒りは凄まじく、ある日、警察庁に話し合いで呼ばれた時は終始態度が荒れていた。明美さんの恋人だった赤井さんには「こうなると分かっていた筈だ。どうして姉妹を保護しなかった!!」と、机に拳を叩きつけてその場にいない男に怒鳴っていて……。そんな零くんの肩に手を置く景光くんも何とも言い難い表情をしており、それだけ二人が赤井さんのスペックを認め、彼の行動力には期待が込もっていたのだと伺えた
けれど零くんは誰よりも本来の自分の不甲斐なさを責めていて、「必ず明美と志保を助け出す」と潜入捜査の合間に最初は明美さんと組織と目を盗んで会い、後日に明美さん経由で志保さんとも接触を果たしたそうだ。きっとバーボンがジンの監視下にいるシェリーと会うのは苦労しただろうが、何かしら無事に言いくるめる事が出来、明美さんと三人で会えたそうだ。それを聞いた私が「一体どう言いくるめたの?ジンは警戒心すごいイメージなんだけど……」と問えば、苦笑いした零くんが「悪者ぶってみただけさ」とぼかしたので、多分誘導できる不快な言葉を口にしてしまったんだろう
そうして何とか組織の目を盗んで姉妹に会う事が出来た零くんはまず正体を明かし、FBIだった赤井さんを勧誘した事で明美さんの立場が危うい事や、任務失敗を利用して姉妹を死別させようとし、絶望するだろう志保ちゃんを縛ろうと画策しているのだと伝えた。そして二人が組織に犯罪を強要された被害者として情状酌量の余地があること、赤井さんとの血縁関係を明かし、新薬について持ち得る情報を交換する協力者という立場の提案も持ちかけた
すると当然、赤井さんとの血縁関係を聞いた明美さんはショックを受け、妹の志保さんは姉を恋人として利用した挙句、潜入の際に当たり屋となり、組織に厄介視されるだろう姉を残し、身内の失態で逃走したので一層嫌悪感を持ったらしい……。それは無理もないと思う、無事に助けられれば原作のような憎悪や後悔は無くなるかな?
と言うわけで、零くんが宮野姉妹に提案したのは一先ず明美さんを死亡偽装させ、新たに戸籍を作って安全にさせる事だ。そして組織は科学者のシェリーを容易く殺さない為、明美さんの離反後は多少反抗の態度を強く見せておくべきだと。明美さんには念の為、緩めのデザインの私服の下に防弾服を着用させた
