(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第27章 江戸川コナン
その後、父さんの電話を切った私は零くんに貰ったネックレスの先端を指で摘み、《手筈通りでお願いします》と口にする。するとスマホがショートメッセージの着信を知らせ、風見さんから《了解です》と言葉が返って来るのだった───
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そうして僅か一晩の間で公安が隠れて活動し、現場となったトロピカルランドの観覧車裏で新一の血液採取を行い、事件の情報に規制をかけて警察側と家族の隠蔽を匂わせた。これで遺体が発見されて捜査があった実証と、本人も家族も有名人な新一だから世間を騒がせない対策なのだと思わせる。一応状況的にジンとウォッカの認識としては、薬の効果で毒を検出されないのなら外見上で頭部強打の失血死として判断されてると狙ってる筈だ……
なので新一の遺体については有耶無耶にし、来ていた探偵の依頼は便箋でキャンセル、工藤新一名義のスマホは解約、学校に対する休学届の提出や公安からの偽装工作も必要で。加えて江戸川コナンの戸籍作りや家族と生活事情の設定、新たに江戸川文代名義のスマホ、銀行口座、少しでも違和感の無いような生活環境と費用の用意もいる
だから景光くん達が裏から偽装工作をしてくれていて、後の表面的な根回しは新一の意向に危険が少ない範囲で沿うよう許可も出た。と言っても、電話の後に風見さんから改めてメッセージを貰っていて、《新一君との話の前に帰国した優作さんも貴女も、採取した新一君の血液も持って公安に来て下さい》と言われている。いくら本人の決断を尊重するんだとしても、私達家族や新一自身と何も知らない周囲の為にも『凡ゆる安全対策』と無茶を避けれる予防線を話し合うべきだ
それに現場の血痕と新一から採取した血では、本人鑑定のみが出来て工藤新一の幼児化を裏付ける結果にはならない。一応、施設の防犯カメラはあるけど一連の証拠を撮れる位置には設置されておらず、血縁証明として私か父さんのDNAが求められるそうだ───
そしてあっという間に一夜が明けた翌日の午後、帰国した父さんはホテルにチェックインしに行く母さんと別行動をとって、迎えの風見さんと警察庁へ。私は景光くんと一緒に博士の自宅に向かい、「健康チェックの為の血液採取」で新一から採れたそれを貰って、警備局警備企画課の一室まで足を運んで行った