(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第26章 小さくなった名探偵
新一「なーんて、本当はさっきあの人のスカートが風で捲れた時に見ちゃったのさ!段違い平行棒経験者の足の付け根にできる、独特なアザをな……。どんな時でも観察を怠らないのが探偵の基本だぜ」
蘭「はぁ?何よそれ!要はそこの女性のスカートの下を、しっかり記憶して見たんでしょう?!しかも握手する前から分かってたなんてインチキよ!」
男性「オイコラ!俺のダチにちょっかい出してんじゃねぇぞ!」
新一「!!と、友達だったんですか……。あーいえ、悪気は無かったんですがスイマセン……」
聞けば新一があまりにデリカシーが無いものだから、私や後ろに並んだ友達だと言う男性が怒鳴ると、すぐにハッとした新一が気まずそうに謝った。何せ事実を言った字面が変態じみているし、見られた女性も顔が真っ赤になって恥じている。誰だって怒るし嫌な事だと思う……
そして何なら席を変わろうとしたけど、後ろの男性の隣に女性がいたし、二人は熱々カップルなのか人前なのに堂々とキスさえして……。それにこっそり新一が私とのラブシーンを想像し、一人で頬を染めていた事も知らず、私は順番になったコースターに新一を引っ張り込んだ
新一「それでな、その時のホームズは……」
笑顔で続きを語り始めた楽しそうな新一と、彼を引っ張って二席四組で乗れるコースターの二番目に乗った私。その後ろでは、前の二人を押し退けた黒ずくめの男二人組が最後尾に着いた
新一「分かるか?きっとコナン・ドイルはこう言いたかったんだ……ホームズって奴はな……」
蘭「もー!ホームズだのコナン・ドイルだの、いい加減してよ!!この推理オタク!!」
とうとうブチッと堪忍袋の尾が切れた。だって私は純粋にアトラクションを楽しみたくて、新一と一緒に事件や推理とは無縁で過ごしたくて。その思いでここに誘ったというのに、新一がその目を輝かせるのはホームズの話をする時だけ。限界になって涙目ながらにさけんだ私は、目を見開いて驚く新一に弱音を溢す
私は新一と来るのが楽しみだったんだ、どうして気持ちに気づいてくれないの?そう言った時に新一が焦りながら、「あ、あ、あのさ、実は俺も……その……」なんて焦り出すから、私は面白くなって揶揄った。だけど最後は全部本心だよって笑い、手を握り締めたと同時にコースターが降りに入る