(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第25章 いよいよ原作へ
そう言って私を見下ろす零くんの熱い眼差し、心地よくも危険を孕んだ低い声、宣戦布告の不敵な笑みと言葉……
思わずピシリと硬直してしまった私は、言いたい事を告げて満足そうな彼に背中を押されて会議室を退室する。そして駐車場まで連れて来られて、待っていた景光くんが何かを察して私を助手席に乗せてくれた。正直、心ここに在らずで会議室から駐車場までの記憶が無いよ……
おかげでそれまでボーッと呆けていたのが、バタンと助手席のドアが閉められた音でハッと我に返った。幼馴染の公安コンビが車窓を隔てた向こうでやり取りしているけれど、零くんが喋っているのを景光くんがコクコク頷きながら聞いたと思えば、最後に零くんの肩をポンポン叩いてサムズアップを返していた
……もしかして零くん、さっきの私達の恥ずかしいやり取りの話をしてるのか?!お願い!!お願いだから誰にも言わないで?!
そんな私の切実な思いも虚しく、この後、マンションに帰っていく車内で窓の外にそっぽを向いた私と、ニヤニヤしながら運転している緑川唯こと諸伏景光さんがおりました
こうして経済効果1億の男、降谷さんのお色気に当てられた後日……。空手の都大会が終わった事で、いよいよ原作の始まりを迎えるのだった───