(名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした(改)
第17章 11月7日 2
───松田side
今年の11月7日、警視庁にとあるFXの文が送られた。これまで3年前が3、2年前が2、1年前が1とカウントダウンが来ていて、今年は絶対何か行動を起こす、椎奈の助言が無くても勘が四年前の同一犯だと告げていた。俺と萩原は何年も前からそう睨んで待機する気でいたんだが、米花町は不思議と事件が絶えねぇ町だ……
急に新たな事件の通報が来たので、今月付で俺の相棒になった年下センパイの佐藤がすぐに「行くわよ」なんて声をかけてくる。なので当然俺はお断りだと言ってはみたが、真面目な佐藤はそんな俺の勤務態度に怒っていた。隣で一緒に煙草を蒸す萩原なんて鬱陶しがってる俺への大爆笑、暇つぶしに新聞を読んでいるけど内容が全然入ってこねぇ……それに凄く喧しい
佐藤「ちょっと松田くん!捜査に来ないってどういう事よ!」
松田「チッ」
萩原「はははははっ!!そんな態度じゃ誤解されるって陣平ちゃん!佐藤ちゃん、こいつと俺ね、例のFX届く待ってんの」
佐藤「それって毎年11月7日に届くっていう、悪戯のFXのこと?」
萩原「そーそー、アレは絶対爆弾のカウントダウンだよ。俺も陣平ちゃんもリベンジマッチしたいわけ、4年前に取り逃した犯人だからさ?」
佐藤「っ……」
そう言って事情を知らない佐藤に説明してやる萩原だったが、普段和やかなはずの此奴も今日は垂れ目が据わって雰囲気が刺々しい。そんな俺らの空気に佐藤が息を呑んだその背後では、最近捜査一課に配属になった白鳥任三郎が目暮警部に例のFXを渡していた
それと同時に俺のスマホが着信を知らせるバイブで振動し、胸の内ポケットにしまっていたそれを出すと、通知に映った名前が見えて萩原と揃って口角が上がった。そこに表示された名前は「諸伏景光」、きっと公安が早めに情報を入手して暗号解読したんだろう
……さすがは希代の主席サマと幼馴染だ。暗号を見るに俺もハギも同じ意見だぜ
《我は円卓の騎士なり。
愚かで滑稽な警察諸君に告ぐ。
本日正午と14時に我が戦友の首を弔う
面白い花火を打ち上げる。
止めたくば我が元へ来い。
72番目の席を空けて待っている》
《一つ目は杯戸ショッピングモールの観覧車、72番のゴンドラだろう。二つ目は恐らく地図記号で円卓の騎士が活躍していた中世ヨーロッパ、十字軍で病院だろうが何処かまでは不明だ》
