第8章 妻の隠し事*
side.五条悟
「ねえ?硝子」
「んー?」
「名前にピル渡してるでしょ?」
「んー。何の事だかわからないなー」
名前が僕に隠し事をしているのは知っている。
その秘密を知って、真相を確かめるべく硝子の所まできた。
「別に悪いとは思ってないよ。僕の妻だけど一応未成年だしね」
「じゃあ何で避妊してやんないの?」
「それ聞いちゃう?」
僕は名前の全てを。
頭の先から足の先まで愛してるから。
髪の毛一本に至るまで支配したくなっちゃうんだよね。
「名前が秘密にしてるのは気にいらないけど、打ち明けてくれるまで待つつもり」
「で?私に何の用?」
「悪い薬じゃないんだよね?」
「ははっ。可愛い弟子に粗悪な薬を渡すとでも?」
「それを聞いて安心したよ。前から生理前症候群が辛そうだったから、そっちは軽くなったと思うんだ」
「あのさ…そういう変態気質なのどうかと思うよ?」
「何でさ?」
可愛い妻の心配をしてるのに心外だな。
「名前が秘密にしたがるわけだ」
「その名前は、こんな僕を愛してくれてるんだよ」
「はいはい。ご馳走様」
可愛い妻の隠し事は、知ってて当然だと思うんだ。