第6章 妻のヤキモチ
side.五条悟
「君となら何時間でもキスしていたいし。何時間でも触れていたい」
「…そう…なの?」
「極論を言うなら。無人島に持っていくアイテムってやつ。僕は名前がいい」
僕はね、他の誰でもない君が良いんだよ。
名前が不安を感じることがないようにしてあげたいよ。
「どうすれば僕の愛は伝わるのかな?」
「…分かんない…」
君が望むなら、何時間でも愛の言葉を囁き続けてあげるよ。
「もう一層の事、任務に同行しちゃう?そうすれば24時間一緒にいられるよ」
「えっ?」
「君が望めば僕は何だって叶える。それに僕は一時も君から離れたくないから、本当ならそうしたいよ」
「………ふふっ…悟さんの助手か…それもいいかもしれない」
漸く名前に笑顔が戻ったね。
「名前。僕の心も身体も未来も全部。君にあげる」
「そんなに欲張りじゃないよ」
「でもね、君のその小さな手には。もうそれが全部つまってるんだよ」
「そうなの?」
そうだよ。
「僕はずっと前から名前のものなんだ」
「じゃあ私を離さないでね?」
「うん」
離すもんか。
例え君が僕から逃れたくても、もう逃げ場などないよ。