第30章 妻の新たな嗜好**
side.五条悟
精液を出し終えて、ハッとする。
「名前っ!ごめんっ!ごめんね!」
「はぁっ…はぁっ…大丈夫…です…」
押さえつけていた手を退けて、
急いで頭をあげさせた。
君のフェラが気持ち良すぎて、
僕も暴走しちゃったよ。
やっぱり苦しかったよね?
口角から垂れる涎を拭ってあげる。
「…悟さん」
「うん?」
「気持ち…よかった?」
そんな当たり前のこと、
不安そうな顔して聞かないでよ。
「名前はズルいなぁ」
「えっ?」
ただでさえ可愛いのにさ。
その上、慣れないご奉仕までして
僕の機嫌とるんだもん。
ズルいよ。
「何でもない。気持ちよかったよ」
「本当に?」
「うん。驚きはしたけどね」
「ふふっ。良かったぁ」
何回も僕に気持ちいい?って聞いては、
そうやってふにゃって笑うんだ。
僕がこれ以上、名前に溺れたら
どうするつもりなんだろう。
何もない。
酸素と栄養しかない空間に
君を閉じ込めてしまいたいよ。
「…悟さん…」
「うん?」
「続き…しないの?」
頬を赤らめて、もじもじする名前。
僕さ…
もう君に沼ってもいいかな?
君の新しい嗜好の前では、
自制心なんて無力なんだもん。