第29章 お仕置き*
side.五条悟
「名前。話が変わるけど、いつの間に勉強してたの?」
「うーん。だいぶ前に夢でみて、それから…」
「えっ?」
「ん?」
夢でみた?
何それ?
僕、聞いてないんだけど。
「それ。僕以外に誰か知ってるの?」
「えっと、硝子さんとか歌姫先生は知ってるかな?」
「へぇー…」
あの二人。
僕に隠してた。
なんて事ないよね?
「あ、あとお義母様も知ってる!」
「はっ!?えっ!?僕の母!?何で!?」
「あのね、古い文献を探して貰ったりしたから」
ヘラリと笑う名前。
悪気はないんだよね?
ないんだろうけど…
それは地味にショック。
僕は名前の胸へダイブした。
「うわっ!どうしたの?」
どうしたの?じゃないよ。
「どうして僕を一番に頼ってくれないのさ」
「あ。えっと…それは…」
この期に及んでまだ隠し事があるの?
目が泳いでるんだけど。
「いつも悟さんに頼りきってるから、自分の力でどうにかしたかったの」
成程ね。
君にはお仕置じゃなくて、
躾が必要だったんだ。
「名前?夫婦間に隠し事はなしって、忘れた?」
「あっ!えっと、忘れてないけど…えっと…」
どう取り繕っても無駄だよ。
「二度と忘れないように、その身体に刻もうね」
「へっ?」
僕をイライラさせる名前が悪いんだよ?
これに懲りたら二度と隠し事しないでね?